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1858年(安政5年)創業から 1870年代(明治10年頃まで)

第一滝本館の創始者である滝本金蔵は、武蔵の国本庄村(埼玉県)に生まれました。もともと江戸の大工職人だった金蔵は、1858年(安政5年)2月に(当時32歳)、幕史の新井小一郎が函館奉行所付きで渡道する際に誘われて長万部へ、同年8月には幌別へと移住しています。
 当初は幌別で駅逓所(えきていじょ…運送業と旅館業を兼ねた施設)の建設に携わっていましたが、その頃、妻の佐多はひどい皮膚病に悩んでおり、登別温泉の噂を聞きつけた金蔵は佐多を伴い山道を分け入って温泉にたどり着き、皮膚病治療のためのささやかな湯小屋を作り湯治いたしました。温泉の効果はてきめんで見る見るうちに佐多の皮膚病は快癒しました。そこで温泉への感謝とその効能を広く利用されるようにと、湯守の許可を取り湯宿を創築し温泉経営を始めました。これが「愛妻の湯」滝本の始まりです。
 その大工の腕を振るって建てられた湯宿は吹きさらしのものでしたが、元来の利用者であったアイヌの人々や、硫黄山の労働者、さらには白老の仙台藩陣屋や南部藩出張陣屋の武士も訪れ、賑わいをみせたそうです。また、同時期に金蔵は登別に駅逓所を設け、温泉開発のみならず漁場経営や農業開拓など多方面で活躍しました。
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